365メディカル|医療機関の制度対応・経営支援コラム

病院の7割が赤字時代へ
地域医療を守るために、医療機関がいま向き合うべきこと

診療報酬改定、物価高、人件費上昇、医療DX、施設基準、WEB掲載、証跡管理。 医療機関を取り巻く環境は大きく変わっています。 本記事では、病院経営の赤字化がなぜ進んでいるのか、そして地域医療を守るために何が必要なのかを解説します。

7割前後

多くの病院が医業利益ベースで赤字化。地域医療の維持が大きな課題に。

3.09%

令和8年度診療報酬改定では本体部分が大幅プラス改定に。

DX対応

医療DX、WEB掲載、施設基準、証跡管理への対応が経営基盤に。

「近くの病院が診療時間を短縮した」「地域の中核病院が統合・再編されるらしい」 「これまで通っていた医療機関の体制が変わる」——。

最近、こうしたニュースに不安を感じる方が増えています。 私たちはこれまで、体調が悪くなれば近くの病院やクリニックに行き、必要な医療を受けられることを “当たり前”のように考えてきました。

しかし今、その当たり前を支えてきた医療提供体制が、大きな転換点を迎えています。 背景にあるのは、医療機関の深刻な経営悪化です。

この記事でわかること

  1. 病院の赤字化が進んでいる理由
  2. 診療報酬改定だけでは解決しにくい構造的課題
  3. 患者負担増と医療機関の説明責任
  4. キャンセル料・保険外負担を整理する際の注意点
  5. 365メディカルが支援できる制度対応・WEB掲載・証跡管理

一般病院の多くが赤字に。地域医療はすでに限界に近づいている

病院経営の悪化は、一部の過疎地や小規模病院だけの問題ではありません。 近年の病院経営調査では、医業利益ベースで赤字となる病院が7割前後に達していることが示されています。

約7割赤字病院が増加

医療機関は、価格転嫁しにくい構造にある

病院やクリニックの主な収入源である診療報酬は、公定価格として国が定めています。 そのため、光熱費や材料費、人件費が上昇しても、一般企業のように自由に価格改定することができません。

つまり医療機関は、物価高・人手不足・制度対応の負担増という厳しい環境の中で、 地域医療を維持し続けなければならない状況に置かれています。

人

人件費の上昇

医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士、医療事務など、医療人材の確保には賃上げが不可欠になっています。

費

光熱費・材料費の上昇

医療材料、衛生用品、検査資材、給食材料、清掃委託費、設備保守費などが経営を圧迫しています。

DX

制度・DX対応の負担

オンライン資格確認、電子処方箋、サイバーセキュリティ、WEB掲載など新たな実務負担が増えています。

福岡県内でも進む病院再編。これは“遠い地域の話”ではない

地域医療の再編は、すでに具体的な形で現れています。 福岡県内でも、大学附属病院の分院や地域の中核的医療機関について、 機能統合や集約化の方針が公表されています。

医療機関 公表されている方向性 地域への影響
久留米大学医療センター 久留米大学病院への機能統合方針 外来・入院・紹介体制など、地域の受診動線に影響する可能性があります。
産業医科大学若松病院 産業医科大学病院への医療機能集約化方針 地域の医療機能、救急、通院利便性、周辺医療機関との連携に影響する可能性があります。

病院の再編は、単なる一医療機関の問題ではありません。
救急、外来、入院、専門診療、リハビリ、在宅支援などの機能が変わることで、 患者の受診動線、救急搬送、紹介・逆紹介、地域包括ケアにも影響します。

令和8年度診療報酬改定は“救済策”になるのか

医療機関の経営悪化を受け、令和8年度診療報酬改定では、 物価高騰や賃上げへの対応が大きなテーマとなっています。

診療報酬本体の改定率はプラス3.09%とされ、 医療従事者の賃上げ、物価高騰への対応、地域医療の維持が重要な目的とされています。

ただし、診療報酬が上がったからといって、 すべての医療機関の経営がすぐに改善するわけではありません。

重要なのは「算定できる状態」にすること

診療報酬改定では、どの項目が上がるのか、どの施設基準を満たす必要があるのか、 届出が必要なのか、実績管理が必要なのか、患者への説明やWEB掲載が必要なのかによって、 医療機関ごとの影響は大きく変わります。

1

改定内容を確認

自院に関係する項目を洗い出します。

2

施設基準を確認

届出・人員・実績・掲示要件を確認します。

3

運用を整備

院内掲示、WEB掲載、記録管理を整えます。

4

証跡を残す

いつ・誰が・何を対応したかを管理します。

改定内容を正しく理解し、自院に関係する項目を洗い出し、 必要な届出・掲示・記録・運用を整えなければ、 せっかく評価された報酬を算定できない可能性もあります。

患者負担も増える。だからこそ説明責任が重要になる

診療報酬が引き上げられると、患者の窓口負担にも影響が出ます。 令和8年度改定では、再診料の引き上げや物価対応料の新設、 ベースアップ評価料、入院時の食費・光熱水費の見直しなどが行われています。

患者から見ると、1回あたりの負担増は数十円から数百円程度に見えるかもしれません。 しかし、慢性疾患で定期通院している方、複数の医療機関に通っている方、 長期入院が必要な方にとっては、継続的な負担増になります。

掲

院内掲示

患者に伝えるべき制度情報、保険外負担、診療体制、医療DX体制などを院内で明確に示します。

Web

ホームページ掲載

来院前の患者にも必要な情報が届くよう、WEB上でわかりやすく公開することが重要です。

患者負担が増える時代だからこそ、医療機関には“透明性のある情報提供”が求められます。

キャンセル料の扱いは慎重に。自由に徴収できるわけではない

令和8年度診療報酬改定をめぐっては、予約キャンセル料に関する話題も注目されています。 医療機関、とくに歯科医院や予約制クリニックでは、無断キャンセルや直前キャンセルが経営に与える影響は非常に大きいものです。

歯科医院では30分から1時間単位で診療枠を確保し、 歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付、技工物、材料、チェアタイムを準備しています。 その枠が直前に空いてしまうと、単なる「空き時間」ではなく、 売上機会、人件費、材料準備、他の患者の予約機会を同時に失うことになります。

ただし、医療機関がキャンセル料を徴収する場合には、 保険診療との関係、予約料の取扱い、患者への事前説明、同意取得、 院内掲示、ホームページ掲載、徴収条件、例外規定などを整理する必要があります。

キャンセル料を検討する際の確認ポイント

  • 保険診療・自由診療・予約料との関係を整理しているか
  • 患者への事前説明と同意取得の流れがあるか
  • 院内掲示・ホームページ掲載で明確に案内しているか
  • 徴収条件、金額、例外規定を明文化しているか
  • トラブル時の対応方針を職員間で共有しているか
  • 運用記録や説明履歴を残せる体制があるか

キャンセル料は「取れるかどうか」だけで判断するのではなく、 「どのようなルールで、どのように説明し、どのように記録を残すか」まで設計する必要があります。

医療機関に求められるのは、算定力・掲示力・証跡管理力

これからの医療機関経営では、単に診療を行うだけでは不十分です。 診療報酬改定、医療DX、施設基準、WEB掲載、院内掲示、保険外負担、 キャンセルポリシー、職員賃上げ、医療安全、サイバーセキュリティなど、 多くの制度対応を同時に管理する必要があります。

算

算定力

自院が算定できる項目を把握し、施設基準を満たし、届出と運用に落とし込む力です。

掲

掲示力

院内掲示やホームページ掲載を通じて、患者や地域に必要な情報をわかりやすく伝える力です。

証

証跡管理力

届出書類、掲示内容、更新履歴、研修記録などを、いつ・誰が・何を行ったか管理する力です。

これからの医療機関には、「やっています」ではなく「実施したことを証明できる」体制が求められます。 監査、個別指導、施設基準確認、行政対応、患者トラブル対応において、証跡管理はますます重要になります。

365メディカルが支援できること

365メディカルでは、医療機関・歯科医院・薬局・介護事業所に向けて、 診療報酬改定、医療DX、施設基準、WEB掲載、証跡管理、バックオフィス業務の支援を行っています。

課題 365メディカルの支援内容
改定項目の整理 自院に関係する診療報酬改定項目、施設基準、届出要件を整理します。
WEB掲載対応 既存ホームページへの掲載、簡易ページ作成、制度対応ページの整備を支援します。
院内掲示・保険外負担 院内掲示、保険外負担、キャンセルポリシーなどの文面整理を支援します。
証跡管理 掲示内容、更新履歴、届出書類、運用記録などを管理できる体制づくりを支援します。
事務長・院長の負担軽減 制度対応業務を整理し、医療機関が本来の診療に集中できる環境づくりを支援します。
  • 自院に関係する改定項目を整理したい
  • 施設基準の届出漏れを防ぎたい
  • 院内掲示・WEB掲載を整備したい
  • 保険外負担やキャンセルポリシーを整理したい
  • 医療DX関連の掲示・運用を整えたい
  • 証跡管理を仕組み化したい
  • 院長や事務長の制度対応業務を減らしたい
  • ホームページを持っていないがWEB掲載に対応したい

病院の赤字問題は、医療機関だけの問題ではない

病院の赤字化は、単なる経営問題ではありません。 それは、地域に救急医療が残るのか、近くで入院できる病院が維持されるのか、 高齢者が安心して暮らせる地域であり続けられるのかという、 私たち一人ひとりの生活に直結する問題です。

診療報酬改定によって一定の対応は進められていますが、 物価高、人件費上昇、医療DX対応、制度対応の負担は今後も続きます。

  • 算定できるものを、確実に算定する
  • 掲示すべき情報を、正しく掲示する
  • 対応した証跡を、きちんと残す
  • 患者にわかりやすく説明できる体制を整える

これらは、地域医療を守るための重要な経営基盤です。 365メディカルは、医療機関の皆さまが制度改定に振り回されるのではなく、 制度を正しく理解し、経営改善と地域医療の持続性につなげられるよう支援していきます。

制度対応・WEB掲載・証跡管理でお困りではありませんか?

令和8年度診療報酬改定、施設基準、院内掲示、保険外負担、キャンセルポリシー、 医療DX対応、証跡管理など、医療機関の実務対応を365メディカルが支援します。

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引用・参考情報

  • 厚生労働省:診療報酬改定関連資料
  • 中央社会保険医療協議会資料
  • 病院団体による病院経営調査資料
  • 久留米大学 医療センターの病床再編及び大学病院との統合に関する公表資料
  • 産業医科大学 若松病院の大学病院への集約化に関する公表資料
  • 令和8年度診療報酬改定関連情報
免責事項: 本記事は、公開情報をもとに365メディカルが一般的な情報提供を目的として作成したものです。 診療報酬の算定可否、施設基準の届出、保険外負担、キャンセル料の運用、WEB掲載義務等については、 医療機関の種別、届出状況、地域、個別事情により取扱いが異なる場合があります。 実際の運用にあたっては、厚生労働省、地方厚生局、自治体、顧問税理士・社労士・弁護士等の専門家に確認のうえ対応してください。